今回はスポーツ・ミニストリーという、スポーツを通した伝道ということがテーマで、二人の講師の方のお話が聞けました。
一人は神奈川県本郷台キリスト教会の池田恵賜牧師で、教会がエスペランサ・スポーツクラブというこどもから青年を対象としたサッカーチームを経営しているそうですが、地元では知らない人がいないクラブチームになっていて、そういう活動も実り、現在では400人近い人が教会に集まっているそうです。
軽妙な楽しいお話で、教会と地域の結びつきを強めるため、教会から外に出て福音を伝えるため、明るく、日々、神様との対話を怠らずに将来へのビジョンに向かって奮闘されている様子が頼もしかったです。また、スポーツが、神様から与えられた伝道のツールとしてもっと用いられていいのではという視点が興味深かったです。
特に印象に残ったのが、日曜日の教会とクラブ活動のバスケットの練習のどちらを取るか悩み、日曜日に皆から隠れるようにして教会に来ていた中学生のある女の子に、「君は今日バスケットの試合に神様からつかわされていくのだから、もっと堂々として参加しなさいよ。礼拝に出られない代わりに、そのバスケットの試合の会場をあなたの礼拝の場として、そこで、一緒に戦う仲間、みんなのためにお祈りしたらいい」と言ったところ、その女の子が喜び勇んでその日試合に参加し、その後もバスケットをあきらめることなく続け、ある時、「先生、今日は試合も練習もないので、みんな連れてきました」と、部員30名ほどと一緒に礼拝に参加したそうです。
幼いこどもたち、若い人たちが、信仰かスポーツかどちらか二者択一で選びなさいと強要されてしまっている状況では、教会から離れていくのも無理はありませんし、それが神様の望まれていることではないのかもしれません。

もう一人の講師は、2000年のシドニーオリンピックで銅メダルを獲得し、合計オリンピックに3回出場したテコンドーの岡本依子さん。2018年に牧師になられたそうです。飯盛野教会にも2度来て説教いただいたハワイの中野雄一郎先生の教え子だとのこと。
元々テコンドーで自分が強くなることしか眼中になく、自分の生きる価値は成功することでしかないと信じ、努力してない人など軽蔑の対象でしかない、練習相手もうまい人か下手な人かでしか見られなかったし、対戦相手も単なる物、審判も機械、応援も何の力にもならない邪魔としか思えてなかったのが、2006年にイエス様を受け入れるようになって、全く自分が変わったそうです。
イエス様はこんな私でも愛してくれる、自分に価値があろうが、成功しようが失敗しようが励ましてくれる方だという安心感が原動力になって、また、福音を届けてくれた人への感謝からだんだん周りが見えるようになって、特に困っている人に目が行くようになってから、練習や試合でも見え方で全然違うようになり、どんどん実力がついていったそうです。活かされている自分に気づくことが強さにつながるのですね。(S.K.